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「黒猫」(くろねこ、''The Black Cat'')は、1843年に発表されたエドガー・アラン・ポーの短編小説。酒乱によって可愛がっていた黒猫を殺した男が、それとそっくりな猫によって次第に追い詰められていく様を描いたゴシック風の恐怖小説であり、ポーの代表的な短編の一つ。天邪鬼の心理を扱っていることでは同作者の「天邪鬼」と、犯罪の露見を扱っている点では「告げ口心臓」とモチーフを同じくする。 『サタデー・イヴニング・ポスト』(ただし、このときは一時的に『ユナイテッド・ステイツ・サタデー・ポスト』の名称を使用)8月19日に初出。発表時より好評を博し、ポーの同時代人トマス・ダン・イングリッシュの『The Ghost of the Grey Tadpole』をはじめ様々なパロディがある〔Sova, Dawn B. (2001). Edgar Allan Poe, A to Z: the essential reference to his life and work. New York City: Facts on File. p. 28. ISBN 0-8160-4161-X. OCLC 44885229〕。 ==あらすじ== 語り手は幼い頃から動物好きで、さまざまなペットを飼っていた人物である。彼は若くして結婚したが、妻もまた動物好きであったため、小鳥や金魚、犬やウサギといった様々な動物を購入しペットにしていた。その中でもプルートー(冥界を司る神の名前)と名づけられた黒猫はことのほか美しく、また語り手によくなついていた。しかし、語り手は次第に酒乱に陥るようになり、不機嫌に駆られて飼っている動物を虐待するようになった。それでもプルートーにだけは手を挙げないでいたが、ある日、プルートーに避けられているように感じた語り手は猫を捕まえ、衝動的にその片目を抉り取ってしまった。当初は語り手も自分の行いを後悔していたものの、その後も募る苛立ちと天邪鬼の心に駆られ、ある朝とうとうプルートーを木に吊るし殺してしまう。その晩、語り手の屋敷は原因不明の火事で焼け落ち、彼は財産の大半を失う。そして奇妙なことに、唯一焼け残った壁には首にロープを巻きつけた猫の姿が浮き出ていた。 その後、良心の呵責を感じた語り手はプルートーによく似た猫を探すようになり、ある日酒場の樽の上にそっくりな黒猫がいるのを見つける。彼は黒猫を引き取って家に持ち帰り、始めは妻とともに喜び合っていたが、しかしその猫がプルートーと同じように片目であることに気付くと、次第にこの猫に対する嫌悪を感じるようになる。その上、その猫の胸には大きな白い斑点があったのだが、それが次第に大きくなって絞首台の形になってきた。黒猫の存在に耐え難くなった語り手は、ある日発作的に猫を手にかけようとするが、妻が割り込み止めようとしたために逆上し、妻を殺害してしまう。語り手は死体の隠し場所を思案したのち、地下室の煉瓦の壁に塗りこめて警察の目を誤魔化す。しかし捜査が地下室にまで及び、それでも露見する気配がないと見た語り手は、調子に乗って妻が塗り込められている壁を叩く。すると、その壁からすすり泣きか悲鳴のような奇妙な声が聞こえてきた。異変に気付いた警察の一段が壁を取り壊しにかかると、直立した妻の死体と、その頭上に座り、目をらんらんと輝かせたあの猫が現れる。語り手は妻とともに猫を壁のなかに閉じ込めてしまっていたのであり、その猫によって絞首刑にかけられる運命を負わされたのだった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「黒猫 (小説)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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